ミソノピアの風に漂いながら 9

【入居して8ヶ月】 

 

ミソノピアに入居して8ヶ月経ったので、この施設と暮らしの感想を少々。

まず建物の外観は、瀬戸市ではダントツに目立つ造りは周知のとおりだが、建物を一周する遊歩道と樹木の種類の多さの見事さと合わせて、かなりのコストをかけてある建物であることがわかる。

私がいちばん感心したのは、すべての部屋の出入り口の戸が外開きなのに、開いた戸が廊下にはみ出ない構造になっていることだ。同様に建物の内部の造りや、高齢者と要介護者への配慮と安全確認なども申し分がない
広いフロアでは毎月開催されるプロの演奏家の演奏や演芸の数々にあきることはなく、演奏者がいみじくも申したように「ミソノピア宮殿」を彷彿させるような会場の造りと音楽効果などが素晴らしい。施設の職員の中にはプロに近い楽器の演奏家もいたり、入居者の趣味の演奏など多種多様の楽しみがある。

なによりも毎月開催される入居者と施設側の懇談会はオープンそのもので、入居者の忌憚のない意見に真摯に対応されている。
また、この施設の最高責任者は、まるで高齢者施設の運営のために生まれ育ったような人物で、温かい人柄から自然ににじみ出るやさしさと気配りは素晴らしい。
企業の責任者ともなれば個室の椅子にふんぞりかえっている姿を思い浮かべるが、施設内でスタッフと一緒に動き回っている姿には驚く。

旅行好きだった私がまったく旅行に行かなくなっていることに気づく。
コロナ渦のせいもあるが、高級ホテル並の「大浴場」と遊歩道の散策、各階の展望窓からは西から東へと遠くに連なる名山や、尾張旭市から瀬戸市・春日井・高蔵寺の町並みの眺めはまさに値千金といっていいほど素晴らしく、まるで高級ホテルに寝泊まりしているような感覚が、私を旅へ誘わなくなったことの理由になっている。

この施設のことを識る人たちに、私が入居することを伝えたときには異口同音に羨ましがられた憶えがある。ひとりは「展望窓から夜景を眺めながら飲む酒は最高だからお薦めです」と言われたが、断酒して久しい自分の心は揺さぶられることはなかった。
(負け惜しみ?・・・)